PRICE
Ref. 116500LN
- 正規店定価 (2022) (2016年~,現行品)
- ¥1,600,000
- 並行新品価格(2022)
- ¥7,000,000
- 中古品価格(2022)
- ¥4,500,000~
Ref. 116520
- 正規店定価 (2000) (2016年 生産終了)
- ¥800,000
- 並行新品価格(2010)
- ¥1,200,000
- 中古品価格(2022)
- ¥3,500,000~
- 新古品価格(2022,最終モデル除く)
- ¥6,000,000
Ref. 16520
- 正規店定価 (1988) (2000年 生産終了)
- ¥600,000
- 並行新品価格(2000)
- ¥1,000,000
- 中古品価格(2022)
- ¥4,000,000~
- 新古品価格(2022,ノーマルモデル)
- ¥7,000,000
Ref. 6263 / 6265
- 正規店定価 (1980) (1987年 生産終了)
- ¥380,000
- 中古品価格(2000,ノーマル文字盤)
- ¥1,200,000~
- 中古品価格(2022,ノーマル文字盤)
- ¥9,000,000~
- 中古品価格(2022,P・N文字盤)
- ¥50,000,000~
Ref. 6262 / 6264
- 正規店定価 (1970) (1971年 生産終了)
- ¥200,000
- 中古品価格(2000,ノーマル文字盤)
- ¥1,200,000~
- 中古品価格(2022,ノーマル文字盤)
- ¥7,000,000~
- 中古品価格(2022,P・N文字盤)
- ¥30,000,000~
※当時のAntiquorum auction 結果や店頭価格です
Ref. 6239 / 6241
- 正規店定価 (1965) (1970年 生産終了)
- ¥150,000
- 中古品価格(2000,P・N文字盤)
- ¥2,000,000~
- 中古品価格(2022,ノーマル文字盤)
- ¥7,000,000~
- 中古品価格(2022,P・N文字盤)
- ¥30,000,000~
※価格は記載の年代での概ねの価格です
Ref.116500LN
Ref.116500LN
- ①現行 ROLEX DAYTONA の「Ref.(リファレンスナンバー)116500LN」は2016年のバーゼルワールドでリリースされた。1963年に誕生した DAYTONA の第6世代にあたり, スポーツ・ロレックスの最上位モデルで 116500LN は デイトナ史上, 空前の人気を誇っている。基本スペックは前世代から受け継がれ, 第5世代の Ref.116520 のキャリバーとして開発された「完全自社製ムーブメント Cal.4130」を搭載する。また 第4世代の Ref.16520 は, ゼニス社が製造した「エルプリメロ」をベースにした「Cal.4030」が搭載されていた。その Cal.4130 を開発したのは, テクニカル・ディレクターであった "故 ルネ・ベッソン氏" であり、ロレックスが開発者の名前を公開したことは過去に無く、クロノグラフ用 自社製ムーブメント開発に全力を尽くしたロレックスが敬意を示した異例の公開であった。
- ②大きな変更点はセラクロムベゼルである。2011年からエバーローズゴールド モデル「116515LN」で採用されてきたセラミック製ベゼルを このステンレスモデルにも採用し、非常に硬く耐傷性や耐蝕性に優れ、紫外線の影響も受けにくい素材となっている。文字盤色のラインナップは 前モデルに引き続きブラックとホワイトの2種類で、先代モデルではブラック ダイヤルが圧倒的に人気だったが、ベゼルが黒色になったことで大きく印象が変わり 第6世代の Ref.116500LN からはホワイト ダイヤルが人気となっている。ホワイト ダイヤルはインダイヤルのサークル部分が シルバーからブラックに変更された点も人気の要因の一つだ。Ref.116500LN から、Ref.ナンバーの末尾にアルファベットが記されるようになり、これは「 Lunette Noir 」フランス語で "黒いベゼル" の略称である。
Ref.116520
Ref.116520
- ①「Rolex Daytona Ref.116520」はデイトナの第5世代にあたり、自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載したロレックスのモデルとしては "2世代目"、完全自社製モデルとしては "初代" モデルとなる。2000年までクロノグラフ モデルにおいて 他社製のムーブメントを採用してきたロレックスだが、2000年に待望の ROLEX "自社設計" クロノグラフ ムーブメント「cal.4130」を発表したことで、当時は大変話題となった。Cal.4130 を搭載したことが 前モデルからの大きな変更点であり、他のロレックス スポーツ モデルと同様にブレスレット(主にクラスプ)が 大きく進化している。それまでのシンプルなクラスプから微調整が可能となる「イージーリンク機構」を装備。これにより 簡単にブレスレットのサイズが変更できる、実用的な装備が採用された。またインデックスが太くなり視野性が向上するなど、発売以降も細かな改良が頻繁に施された。
- ②文字盤色のラインナップは前モデルに引き続きブラックとホワイトの2種類で、先代モデル同様にブラック ダイヤルが人気であり、40mmのケースサイズや 100mの防水性能はそのまま継承されている。尚、パワーリザーブを52時間から72時間へ20時間も伸ばすことに成功した。Ref.116520 は2000年に登場し、その後 2016年まで生産され16年間もの間、スポーツモデルの最高峰として君臨したロングセラーモデルであった。既に生産終了となっていることもあり 他のデイトナ ステンレス モデル程ではないが、年々その価格は高騰している。現在ではランダム シリアルであり、バックルが鏡面仕様に変更された 2015年以降の最終品番にあたるモデルが最も価格と資産価値が高い個体とされているようだ。他のモデルと比較しても手巻きモデルを除けば 高騰率の差は縮まってきている(2022年現在)。20年 30年後に、ROLEX 完全自社製クロノグラフ モデルとして、これまで以上の脚光を浴びることはあるのだろうか。
Ref.16520
Ref.16520
- ①自動巻きムーブメント搭載モデルの第4世代目である「ROLEX DAYTONA Ref.16520(ステンレス スチールモデル)」は1988年に登場した。Ref.16520 は "クロノグラフの傑作" として世界的にも有名なクロノグラフであり、手巻きデイトナを経て 2000年までの12年間製造された。ゼニス社の名機「エル プリメロ400」をロレックス社が大幅に手を加えて改良したムーブメント「Cal.4030」を搭載している "歴史に残る名作" である。その改良点はハイビートと呼ばれる 36,000 振動をロレックス社により安定の「28,800 振動へ改良」し、時計の心臓部分であるテンプを大きくして独自開発したマイクロ ステラナットを取り付けた。Cal.4030 はこれらの改良により振動による摩耗を減らし、精度の向上やメンテナンスもしやすい、"ゼニス社の名機" を更に完璧なものにした。また、自動巻きに拘り他社に先駆けて「パーペチュアル機構(自動巻き機構)」を実用化したロレックスだが、デイトナ以前のクロノグラフ モデルが登場したのは 1930年代頃であるため、クロノグラフ モデルの自動巻き化を果たすまで半世紀の時間をかけたことになる。 完璧を求めるロレックスらしく、開発生産するのに慎重を期したことが窺い知れる。
- ②デザイン面でも大幅なリニューアルが行われており、ダイヤルカラーは精巧な印象のブラックと洗練された印象のホワイトの2種類の展開となった。 耐久面が欠点だったプラスチック ベゼルは姿を消すこととなり、風防はサファイア クリスタルを搭載。さらに37mm径から40mm径へと大型化したケースの横穴は塞がり, リューズガードを搭載している。全面的なブラッシュアップによって、モダンでスポーツ モデルらしいタフさが増した。尚、厚さが12mmで, 近年の人気クロノより薄くスタイリッシュに仕上がっている。パワーリザーブは約52時間、防水性能が100mと前作の50mより飛躍的に向上した。後年には, 鏡面仕上げに変更されたデイトナ用の「ブレス No.78390」のブレスレットが装備されるようになった。これまで腕時計に少しでも興味を持った方なら 一度はこの名を耳にしたことであろう "DAYTONA" 。先代の 6263 / 6265 などの手巻きデイトナに続き、現在では "ネクスト ビンテージ" と称され、日本のオールドファンもさることながら、世界中の多くのファンやコレクターに愛されている。そう、お察しの通り筆者もその内の1人である。
Ref.6263 / 6265
Ref.6263 / 6265
- ①1970年頃の個体から、手巻きロレックス デイトナの最後の2つのリファレンスが見られるようになる。それは第3世代にあたる「Ref.6263 と 6265」であり、その特徴として新たに装備変更されたネジ込み式のスクリュー ダウン プッシャーと、先代モデルより厚めの "オイスター" スタイルの美しいケースを纏っている。ケース径は先代と同様の37mmであるが、防水性能は30mから50mに向上。ムーブメントには「バルジュー社製の Cal.727 」を搭載。ブレスレットは生産中の僅か数年となるが専用の "巻きブレス"「ブレスNo.7835 / FF No.71N」が装着され, 先代同様に Ref.6265 はステンレス製のベゼル、Ref.6263 はプラスチック製の黒色ベゼルを備える。ダイヤルはシルバー(画像①④)とブラック(画像上)の2種類で、このモデルでも引続き 伝統的なツートン カラーを採用している。6時位置のレジスターの上に『DAYTONA』と赤く表記されるものと表記されないものが存在する。
- ②手巻きデイトナには 先に述べた2種類のノーマル ダイヤル以外に「ポール・ニューマン ダイヤル(別名:エキゾチック・ダイヤル)」と呼ばれる文字盤が存在する。ハリウッド俳優であり レーサーでもあった、故ポール・ニューマンが Ref.6265 の先代にあたる Ref.6239 を愛用したことから、その時計のダイヤルが "ポール・ニューマン ダイヤル" とも呼ばれる所以となっている。Ref.6263 / 6265 のポール・ニューマン ダイヤルには Ref.6239 / 6241 と同様の3色ダイヤルも存在するが、基本的に 白と黒の伝統的な「パンダ」スタイルのツートン(画像②)で、6時位置のレジスターの上に『DAYTONA』は表記されない。先に述べた「ブレス No.7835 / FF No.71N」のブレスレットも「ポール・ニューマン ブレス」と呼ばれている。Ref.6263 は白黒のツートン ダイヤルが黒のプラスチック ベゼルに対して引き立つような印象を受け、シンプルだが それでいて非の打ち所がない完璧なデザインであり、華麗で誰をも虜にしてしまう。世界中探してもこれに "勝るデザインは無い" と断言できる。
- ③デイトナ史上、ポール・ニューマン ダイヤルの「ROLEX COSMOGRAPH OYSTER DAYTONA Ref.6263 BLACK DIAL」は、最も渇望され 最も美しく 最も魅力がある デイトナである。数多くのモデルが存在するロレックスだが "ポール・ニューマン" は、その中でも別格な珠玉のアンティーク モデルとして 今もなお位置づけられている。"パンダ ダイヤル"(白黒ツートン)の Ref.6263 は、製造年数が僅か3~4年程度だったため 流通量が非常に少ない。確かに "R C O" 表記(Rolex→Cosmograph→Oysterの順)のブラック ダイヤル(画像③)よりも見かけることは多いが、それでも 決して一般的ではなく良好な状態で "オリジナル" のオイスター ポール・ニューマンを見つけることは ますます困難になってきている。
- ④このように、Ref.6263 / 6265 ポール・ニューマンの価格は50万ドル以上で、ポール・ニューマンではない "シルバー(画像①④)またはブラック ダイヤル" の Ref.6263 / 6265 は、それでも10万ドル以上の値が付く。"R O C" 表記 ブラック ダイヤルの Ref.6263 ポール・ニューマンは存在しないが、"R C O" 表記(Rolex→Cosmograph→Oysterの順)なら、僅かながら探すことができるだろう。僅かというのは全世界で数十本単位の話だ。そのブラック ダイヤルでスクリュー ダウン プッシャーのポール・ニューマンは、"世界で20本足らず" と言われていて、オークションに登場すれば、たちまち "100万ドル" を超えるような豪華なショーとなる。
Ref.6262 / 6264
Ref.6262 / 6264
- ①1969年頃より登場したデイトナ第2世代は「Ref.6262(画像⑤⑥)と Ref.6264」であり、この2世代目は僅か約2年程で生産終了を迎えた。短命な製造期間であったため, ロレックスが市場にリリースした中で最もレアなモデルである。先代モデルの Ref.6239 とは、ほとんどデザインや仕様の変更が無く全く見分けがつかないが, 新たにムーブメントの変更が行われ「Cal.727」が搭載された。先代と同じバルジュー社製の手巻きムーブメント「Cal.72」をベースに "ロレックスが独自改良" したものである。Ref.6239 に搭載されている「Cal.722」が18,000振動/時であるのに対し「Cal.727」は21,600振動/時にハイビート化され精度を高めている。この "手巻きクロノグラフ用ムーブの最高傑作" と呼び声の高い「Cal.727」は手巻きデイトナが終了となる1988年までの20年を超える期間、大きな変更なく採用されたことから, "機能性・信頼性の高いムーブメント" であったことが証されている。よって、この第2世代のモデルは先代のロービート モデルと次代のハイビート モデルの "架け橋" となっていたことが分かる。
- ②Ref.6262 と Ref.6264 は12時間積算計の上の『DAYTONA』表記が記載されたモデルと記載のないモデル(画像⑥)が存在する。ポール・ニューマンのホワイト ダイヤル(画像⑤)では外周の赤色メモリ(赤巻き)が白色に変更され、この時点で白黒ツートンのパンダ ポールが誕生(Ref.6240 プロトタイプを除く)した。ブラック ダイヤル(上 横長画像)は引続き "黒 白 赤" の3色で構成されたものだが、ホワイト ダイヤルにも2色構成のパンダではなく 3色構成のダイヤルがインストールされている個体も散見される。プッシャーは先代モデル同様の非ネジ込み式のポンプ プッシャーで防水性は高くはない。ブレスレットには 薄いメタルの板を折り曲げ包み込むような構造が特徴の "巻きブレス"「ブレスNo.7835 / FF No.271」が採用されていた。プラスチック ベゼル仕様の Ref.6264 と比べ、人気は劣るものの耐久性に長けているステンレス ベゼル仕様の Ref.6262 の評価は近年上昇している。第3世代のモデルに装備された、開発中の防水性能に優れている "ネジ込み式プッシャー" が1970年前後に完成した事から、この第2世代モデルが短命に終わったと推測される。
Ref.6239 / 6241
Ref.6239 / 6241
- ①第1世代である「Ref.6239」の赤巻きホワイト ダイヤル(画像⑦)を参考に, ポール・ニューマンの過去20年間の価格推移から, その価値はまるで彗星のごとく上昇したことが分かる。実際, 過去20数年間のポール・ニューマンの価値の上昇に匹敵する "量産時計" は, 世界中を探しても何処にも無いのだ。実は当時, エキゾチック ダイヤル(画像⑦⑧)はあまり売れなかったのでロレックスが製造数を抑えた。そう, 当然 売れない時計は長い間, 店頭に残ることがあった。それにより現存するオリジナル個体の販売レシートの日付が, 製造日より数年~十数年 経過したケースは珍しいものではない。これもポール・ニューマンの世界が澱んでいる理由のひとつだ。
- ②ロレックスは現在のような垂直統合型のメーカーではなかったことを忘れてはならない。文字盤の製造を担当していたのは全く別の会社である "シンガー社"(Singer)であった。この非常に貴重な文字盤の製作にシンガー社が関わっていたことが, 事態をさらに複雑にしている。1980年代から2000年代初頭に, エキゾチック ダイヤルのデイトナが人気を博し, イタリアのコレクターが "ポール・ニューマン" と呼ぶようになると, その数は市場から激減していった。 正にこれが1960年代と70年代の不人気モデルが世界で最も "HOTなヴィンテージ ウォッチ" になった瞬間だ。
- ③「Ref.6239」は ニューマン氏が実際に着用していたリファレンスであるという点で, 最も正当派なモデルといえる。ポンプ プッシャーとステンレス ベゼルが特徴で, ムーブメントは「バルジュー722」を内蔵する。1963年製のみ存在する "MK-1 DAYTONA" の誕生の翌年から1969年まで生産され, メインカラーが "白と黒" のダイヤルの両方が存在する。ダイヤルは"黒 白 赤"で構成され, 6時位置のレジスターの上に書かれた『DAYTONA』が表記される点が特徴だ。「Ref.6241(画像⑨)」は あらゆる点で Ref.6239 と同じだが, ステンレス ベゼルの代わりにブラックのプラスチック ベゼルが装備される。両リファレンスともケース径は37mm, 防水性能は30mである。現在, 当時の単体のオリジナル プラスチック ベゼルは, 市場で数十万~百万円を超え大変希少となっている。そのため, Ref.6241 はオーソドックスな Ref.6239 と比較して10~20%のプレミアム価格が付いている。
- ④「Ref.6241」はアメリカ市場向けにステンレス スチール, 18Kイエローゴールド, 14Kイエローゴールドの3種類で展開された。生産期間は1969年までの僅か4年間で 総生産本数は3000本程度と推定され,"最も希少なデイトナ" のひとつとして挙げられている。そのうちのモデルであり, より希少なものが「 J P S (ジョン・プレイヤー・スペシャル)」であり, 最大の特徴は「ゴールドとブラックのポール・ニューマン ダイヤル(画像⑩)を備えた "金無垢のデイトナ" Ref.6241」であるということ。18Kイエローゴールド ケースのモデルは, 世界中で300本に満たない。ニックネームの「J P S」は, 1972年にイギリスのタバコ会社 ジョン・プレイヤー・アンド・サンズ が F1チーム "ロータス" のスポンサーとなり, 黒地に金のラインと文字で飾られたクールなレーシングカーに由来する。